ナチュラル・エージ技術協会
[事務局執務拠点]
〒332-0021 埼玉県川口市西川口6-9-10
ホーリーセイワ-103
●(報告者) 令和元年(2019)5月10日
大阪府泉大津市臨海町1-21
株式会社ナニワプロジェックス(本協会会員)
河井雄輔、土山雄大
●(ビデオレター)(:事務局作成)はこちらでご覧になれます
●(報告書本文)
メリケントキンソウについてのお問い合わせを多く頂きます。
これまでに、当協会が行ってきた対処法について次の通り報告いたします。
当協会カタログにも掲載していますが、メリケントキンソウ自体は緑色の背の低い柔らかそうな草群です。
ところが、花が咲いて実を付け成長すると、見るからに堅そうな刺さると痛そうな棘を持ち、ある人曰く”カブ
ガニ”の様な形の茶色の種子を作ります。
この草群が芝生の中に突然出現するのですから、裸足で走り回る子供たち、寝そべる若い人達、ペットの足
にも棘が刺さります。テントのシートの下から貫通して刺された話も耳にしています。
彼らにしてみれば、刺すのは本意ではなく、靴の底にでも刺さって遠くへ運んで貰いたいのが本意でしょう。
気持ちは分かりますが、痛いのは歓迎されません。折角の春の公園を楽しいものにしなけらばなりません。次
の写真は大阪城西の丸庭園です。芝生と若干のシロツメグサが見えますが、メリケントキンソウも多く見られ
ます。
【メリケントキンソウの情報】
【項 目】 | 【情 報】 |
原産地 | 南アメリカ 暖地が好みのようで、中部・近畿・中国・四国・九州に多いようです |
生える場所 | 公園・河原・日当りの良い場所に群生するようです |
草丈と根 | 5~15cm 推進軸のような大きな根があり、横に展開します |
芽を出す | 秋頃 背丈が低く小さい、温和しそうで気にならず、気づきにくいです |
花を付ける | 4~5月 緑色の花・実が見える⇒(この時期に防除施工をします) |
実が付く | 5~6月 実の中には6~7個の種子が生成、時間経過と共にばらけ、落ちます |
命の長さ | 芽が出て花を咲かせ、実を付け種子を作り、1年で枯れる周期です |
【対処法・駆除法】
メリケントキンソウを見つけたら、狭い範囲であれば手で摘むことになります。熊手のような掻き寄せ
道具で採れます。しかし、範囲が広くなると到底人力では限界があります。
当協会の対処法(IL工法)は、下記のように考えています。
重曹水溶液を高圧でメリケントキンソウにぶつけます。トキンソウの葉、茎は黒く変色しますし、粉砕さ
れてしまい、根も重曹溶液を吸うことで矮小化します。1回の施工でほぼ結果は出ますが、30日後ぐらいに
再度点検し、ピンポイント施工をするのが良いでしょう。芝生も一旦は黄色に変色しますが、7~15日で緑
に戻ります。
具体的な実施要領をまとめると、次の通りです。
①IL(重曹:NaHCO3)の水溶液を、20~18MPaの圧力でメリケントキンソウに吹付けます。
②4月中旬から5月初旬のメリケントキンソウの成熟前に施工します。
③ほぼ1回で除去が出来ると思いますが、メンテ期間を入れて3年契約をお勧めします。
④対象面積を分割地図化して、点検及び追跡を重点的に行います。
⑤土中ゼットを使用して、IL水溶液を地下の根に向けて注入します。地上部に吹付けた水溶液も地下に
浸透しますが、強制的に土中100~150mmの深さに打ち込んでおきます。
⑥使用高圧機の施工能力は、1,000m2/1日/1人で、面積が広い場合は複数台を使います。
【施工例】
・実施日 平成26(2014)年4月21日
・場 所 伊丹市河川敷(兵庫県)
【生態と重曹に対する感受性の検証】
次の写真3枚は、メリケントキンソウの長い毛細根を撮ったものです。強そうな推進根から発せられた細長い根です。
(撮影上縦に(下向きに)長い形状になっていますが、場合によっては横に浅く伸びていることも考えられます)
次は、メリケントキンソウの実の拡大写真です。
次の写真は、メリケントキンソウが結実し、まだ実の中に残っている状態です。手で触るとパラパラと
下に落ちます。右上の写真は、実の中にあって落ちてばらける少し前の拡大写真です。
次は、ばらけた種子をIL(重曹)水溶液に浸し、吸わせたものです。黒色に変化しています。
(比較するために、水道水を用いています)